電気自動車(EV)は、これまでのエンジン車とは異なり、ガソリンスタンドに行かなくても、さまざまな場所で充電できるのが特徴です。その選択肢について紹介しましょう。
自宅での充電(基礎充電)
EVの大きなメリットの一つは、自宅で充電できる点です。自宅での充電は「基礎充電」とも呼ばれます。自宅や事業所において、長時間駐車する間(例えば、夜間や勤務時間中)に、日常の使用に必要なバッテリー容量を補充することが目的です。基礎充電はEVユーザーにとって最も便利な充電方法であり、自宅や事業所の電力を使用するため、多くの場合、商業施設での充電に比べてコストを低く抑えられます。
住環境によっては充電器の設置が難しい場合もありますが、可能であれば自宅に充電器を設置することをお勧めします。最近では既存の集合住宅へ充電器を設置する会社もあり、マンション居住者がEVを所有するハードルも低くなってきています。
外出先での充電(経路充電・目的地充電)
外出先での充電は大きく二つに分類できます。移動経路上での充電を「経路充電」、目的地での充電を「目的地充電」と呼びます。
経路充電はドライブ中に、高速道路のサービスエリアや主要道路沿いの充電スポットで、休憩や食事を取る間に短時間で行います。高出力の急速充電器を使用することが一般的で、長距離移動を続けるために迅速にバッテリーを補充し、時間ロスを最小限に抑えることが目的です。
急速充電は、有料のシステムを利用する場合には、サービス提供会社により料金が異なるため、充電コストに差が発生することがあります。また、走行ルート上のどこに充電スポットが設置されているかを事前にアプリやウェブサイトなどで確認し、計画的な充電を行った方がより安心してドライブを楽しめます。
目的地充電は到着地や長時間滞在する場所(ホテル、ショッピングモール、観光地など)において、滞在中の数時間から一晩という時間で行います。設置されている充電器は、普通充電器が一般的ですが、場所によっては急速充電器もあります。滞在中に充電を行い、次の移動に備えることが目的です。施設によってはサービスの一環として充電が無料の場合もあります。特にホテルの充電器を利用する場合は、充電器の数や予約ができるかを事前に確認しておくと安心です。
公共の充電スポットは全国に約21,000箇所(2024年2月時点、GoGoEV調べ)と増加しており、様々な場所で利用可能です。「EV充電マップ」などのウェブサイトを利用すると、近くの充電スポットを簡単に検索できます。充電スポットの利用には、充電カードやアプリが必要な場合があるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
経路充電では、充電カードが便利です。EVを販売している自動車メーカーや充電サービス提供会社などが独自にカードを発行しており、それぞれのネットワークで独自に充電網を形成しています。それぞれに充電スポットの数やロケーション、或いは月会費や充電料金が異なります。
充電できる場所のポイント
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自宅
- 自宅に専用の充電器を設置すれば、駐車中に充電できるので便利です。
- マンションなど集合住宅に充電器を設置するケースも増えています。
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公共充電スポット
- 全国に設置された公共の充電スポットで充電が可能です。これらは主に以下の場所に設置されています。
- 高速道路のサービスエリアやパーキングエリア
- 道の駅
- 高速道路のサービスエリアやパーキングエリア
- 駐車場(特に大都市圏)
- 一部のガソリンスタンド
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自動車ディーラー
- ディーラーによっては、顧客向けに充電設備を提供しています。特にEVを販売しているメーカーでは充電サービスが充実しています。
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宿泊施設
- ホテルや旅館などの宿泊施設でも、EV充電設備を提供するところが増えています。
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事業所
- 企業の敷地内やオフィスビルに充電スポットが設置されている場合もあり、社員や来客が利用できるようになっています。
充電スポットの場所を検索するには、専用のアプリやウェブサイト(「GoGoEV」など)が便利です。これらのツールを使えば、最寄りの充電スポットを簡単に見つけることができます。