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外部給電器「V2H」「V2L」とは

最終更新日:2024年10月1日

電気自動車(EV)が蓄えた電力を利用する方法として「V2H」と「V2L」が注目されています。どんなシステムなのかを紹介します。

V2Hについて

V2Hとは、「Vehicle to Home」の略で、EVのバッテリーに蓄えられた電力を家庭に供給するシステムです。これは、EVが単なる移動手段としての役割に留まらず、家庭用電源としても機能することを意味します。

このシステムの大きな利点は、前述の通り、EVの駆動用バッテリーに蓄えられた電力を家庭に供給できることです。これにより停電時にEVの電力を使用して家庭の電気を賄い、エアコンや冷蔵庫などの家電を使用できるため、災害などの緊急時にも安心です。

再生可能エネルギーの活用促進も可能です。ソーラーパネルが備わる住宅や事業所の場合、発電した電力をEVに蓄電するだけでなく、必要に応じてEVのバッテリーが蓄えた電力を家庭や事業所で効率的に使用可能になります。

また、電力のピークシフトにも貢献します。電力需要が低い深夜に電力会社から供給される電気を充電し、昼間に電力を消費することで、電力料金の節約に寄与します。

V2Hを使用するには、EVを専用の充放電設備に接続します。これにより、家庭とEVのバッテリーが双方向に電力をやり取りできるようになります。電力の流れはスマートフォンや専用コントローラーで管理します。

マーケットプレイス:V2H

V2Hのイメージ画像
V2Lについて

V2Lは「Vehicle to Load」の略で、EVから外部の機器や施設に電力を供給する機能です。これには、キャンプなどのアウトドア活動での使用や、災害時の緊急電源としての利用が含まれます。

V2Lのイメージ画像

アウトドアでの電源供給の例として、キャンプ場や野外イベントにおいて、電気調理器具や照明などにEVから電力を供給することができます。さらに、災害時の緊急電源としても役立ちます。地震や台風などの機会に、避難所や仮設住宅に電力を提供可能です。また、「モバイル電源スポット」として、必要な場所にEVを移動させることで柔軟に電力を供給できます。

V2Lを使用するには、外部給電対応のEVに設置された専用の電源コンセントを介して電気機器を接続、もしくはV2L機器を急速充電口に接続して、車両のバッテリーから電力を供給します。

マーケットプレイス:V2L

V2L使用のイメージ画像

V2Hは、EVを家庭用電源として利用するシステムで、非常時の電源供給や電力のピークシフト、再生可能エネルギーの活用に役立ちます。一方、V2Lは、EVが外部の機器に電力を供給する機能で、アウトドア活動や災害時の緊急電源として利用できます。これらの機能により、EVは移動手段としてだけでなく、エネルギー管理の新たなツールとしての役割も果たします。


外部給電器「V2H」 「V2L」のポイント
V2H(Vehicle to Home)
利点
  1. 非常時の電源供給
    • 停電時にEVの電力を使って家庭に電気を供給し、エアコンや冷蔵庫を使用することができます。
  2. 再生可能エネルギーの活用
    • ソーラーパネルで発電した電力をEVに蓄電し、必要に応じて家庭や事業所で使用することで、別途蓄電システムを用意しなくても再生可能エネルギーの効率的な利用が可能になります。
  3. 電力のピークシフト
    • 電力需要が低い深夜に充電し、需要が高い昼間に家庭や事業所に電力を供給することで、電力料金の節約や電力グリッドの負担軽減に寄与します。
使用方法
  • EVを専用の充放電設備に接続します。これにより、家庭の電力とEVのバッテリーが双方向にやり取りできるようになります。
  • スマートフォンや専用コントローラーで電力の流れを管理します。
V2L(Vehicle to Load・外部給電機能)
利点
  1. アウトドアでの電源供給
    • EVを使ってキャンプ場や野外イベントで電気を供給できます。これにより、電気調理器具や照明などを使用できます。
  2. 災害時の緊急電源
    • 地震や台風などの災害時に、避難所や仮設住宅に電力を提供可能です。
  3. モバイル電源スポット
    • 必要な場所にEVを移動させることで、柔軟に電力を供給できます。
使用方法
  • 外部給電対応のEVには、外部機器と接続するための専用の電源コンセントが設置されている車両もあります。コンセントを介して電気機器を接続し、車両のバッテリーから電力を供給します。
  • V2L機器を車両に接続して、車両のバッテリーから外部機器に電力を供給します。
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